釉薬の質感による分類

釉薬は焼き上がった際の質感の微妙な違いや
表現できる色があまりの多く
正確に分類することはできません。
でも大まかに分類することはできます。
質感による分類は4系統
・マット系(セミマット系)
・つや系
・乳濁色系
・貫入系(表面にひびが入る釉薬
これにありとあらゆる色と和食器本体の
生地土の掛け合わせにより
表現の幅は無限に広がります。
またそれぞれの窯の性質によっても
釉薬の焼き上がり状態は変わってくるため
釉薬の種類の把握は事実上不可能なんです。
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組成による釉薬の分類

釉薬の分類の仕方として
質感の他に釉薬に含まれる
鉱物の組成による分類が
考えられます。
鉱物の組成による分類は次の通りです。
・長石釉(質)系
  志野や貫入といった釉薬を施した和食器が当てはまります。
・灰釉(質)系(ワラ灰・土灰<木灰>)
  黄瀬戸や織部といった釉薬を施した和食器が当てはまります。
・マット釉系(カオリオン質系)
  マット質の織部といった釉薬を施した和食器が当てはまります。
このようにベースとなる鉱物によって
ある程度分類が可能です。
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世界一使われている釉薬

釉薬(ゆうやく)というのは和食器などを
コーティングしているガラスのような
ツルツルしているものだったり
質感がマット質のものであったりします。
その釉薬のなかで最も使われる頻度が高いのは
透明釉です。
言い切りましたが統計があるわけではありません。
私の陶磁器業界人としての経験によるものです。
透明釉は読んで字のごとくガラスのように透明な釉薬
釉薬の下の生地の色や釉薬の下に
描かれた下絵が透けて見えます。
但し透明釉と言っても
一種類だけではなくて
数限りなく存在します。
窯の温度など様々な条件により
綺麗な透明になったり
少し濁った感じになったりもします。
実際にはそれぞれの窯や
和食器に表現したい景色によって
原料の調合がすべてかわりますので
窯の数だけ透明釉が存在すると
言ってもいいかもしれません。
つまり実際には「世界一透明釉系の釉薬が使われている」と
言った方が正確ですね。
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マイクロ波焼成窯の価格

先日紹介しました
マイクロ波焼成窯(電子レンジ窯)と
ハイブリッド窯。
そのお値段は・・・・・
マイクロ波焼成窯(電子レンジ窯)が
およそ120万円!!
ハイブリッド窯が1千万円!!!
一般的なガスや電気の窯が
60cm立法の容量のもので
およそ30万円〜40万円します。
マイクロ波焼成窯(電子レンジ窯)は
家庭の電子レンジと同じくらいの容量しか
ないので、そう思うとメチャ高です・・・
一方のハイブリッドは1m立方の容量の
ものですが、ガスや電気の窯が
100万〜300万というところですので、
従来の窯と比較するとこれまたメチャ高です。
そんなこともあり
窯元でこの窯を採用しているところは
僕の知る限りないんですね。
所有しているのは陶磁器開発の試験機関であるとか
窯元の協同組合にあるとかで
個々の会社で所有しているというのは
聞いたことがないですね。
まだまだ高値の花です・・・


台風で荒れる天気の中おいでくださってありがとうございます。


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酸化焼成

「酸化」は「還元」と違い
一酸化炭素COを発生させないように
十分な空気を送り込んで焼成します。
釉薬一酸化炭素とほとんど反応しないため
安定した色を発色させることができます。
空気を沢山取り込んで焼くため
ガスや重油などの燃料を使って
酸素を消費する必要がありません。
従って電気で窯を高温にする「電気窯」でも
酸化焼成はできます。
酸化焼成は電気窯で出来るため
趣味の陶芸などに用いられる手軽な小さな窯には
電気窯が多く見られます。
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陶磁器の焼き方

陶磁器の焼き方には「酸化」と「還元」が
あることは以前にもお話しましたが
もう少し詳しくお話しますね。
「還元」という焼き方は窯の中に
入る空気の量を出来るだけ遮断し
またガスなど燃料を燃やす事で
窯の中の酸素を消費させ
不完全燃焼を起こさせるようにすることで
還元反応が起こりやすい状態にします。
還元反応とは不完全燃焼で発生した
一酸化炭素(CO)と釉薬の成分が反応
するとこによって起こります。
化学式にしてみると
例えば釉薬に酸化鉄(ⅠⅠⅠ)Fe2O3が
含まれていると
一酸化炭素COと反応して
Fe2O3+CO = Fe2O2 + CO2 となり
Fe2O3のOが一つ取られて二酸化炭素(CO2)が
発生します。
そして酸化鉄(ⅠⅠⅠ)Fe2O3は
Oを一つ取られて酸化鉄(ⅠⅠ)Fe2O2に変化します。
このように不完全燃焼で発生した一酸化炭素
釉薬を反応させて焼くことを「還元」といい
この反応によっていろいろな色を表現することができます。
ちなみに酸化鉄(ⅠⅠⅠ)Fe2O3が含まれる
同じ釉薬を使っても「酸化」と「還元」では
出来上げる色が違ってきます。
Fe2O3を反応させない「酸化」では黄褐色や褐色になるものも
「還元」では淡青色や緑色になります。
という訳で昨日お話したハイブリッドの窯で
ガスが用いられるのは
酸素を消費させて還元反応させる焼き方も
できるようにするためでもあるんです。
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ハイブリッド窯

ハイブリッドと聞くと
トヨタプリウス
ホンダのインサイト
思い浮かびますが
陶磁器を焼く窯にも
ハイブリッドがあるんです。
この窯は電気とガスの
ハイブリッドです。
先に紹介したマイクロ波焼成窯(電子レンジ)に
ガスを加えたものです。
このハイブリッドにはエコの側面だけでなく
陶磁器製造上の側面もクリアすべく
開発されました。
この事はまた次回お話しますね。
陶磁器業界にもハイブリッドがあるなんて
びっくりでしょ!


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